No.001 出発の日の、カメラワークとコマ割りの分析。
ハンターハンター第一話、No.001 出発の日
初投稿だ。このブログ自体の文体や、方向性を定めようと思い、このブログを立ち上げたきっかけであるハンターハンターの第一話を読みながら書く。
漫画の挿絵をスクショして貼ったりするのは著作の問題があるのでしないつもりである。
最初は大コマの使い方や、キャラの配置について触れようと思ったが、あるシーンが気になって方向性を修正した。
あと、書き終えたあと自分で気がついた。カメラワークとかその辺の勉強をしている人からしたら当たり前なのでは…?と。
なので、全くの素人が感じていることだということも事前に知っておいていただき、その上でこの漫画のシーンごとの見方、見せ方を読み取っていただきたい。
そのシーンというのが
14ページのゴンとミトさんがコマを隔てて向き合うシーンだ。
このシーンを考察していくと、コマの作り方と感情移入についてを考えざるをえなくなる。しかもそれが卓越した漫画表現であると私は思うのだ。
14ページ上のゴンの向きと、ミトさんの向き。
これは向かい合って会話する時には良くある構図だが、この後の群衆に無責任なこと言わないで!のシーン。
コマが分かれている。
向かって右に配置されたコマで無責任なことをいう群衆。
それに向かって振り返って無責任なこと言わないで!とミトさんが言う。
この時、ミトさんはゴンと向き合っていた時と、逆の方向に顔を向けている。
ここはゴンの視点からのコマが続いているのだ。
見つめ合っていることは前の2コマで示して、
村人がヤジ→ミトさんのセリフ
はゴンがそれを観ていると言う視点。ゴンに感情移入させたいのだ。
つまり、無責任なことをいうが、筋が通ったおじさん達と、心配してくれて約束したことを悩んでしまったミトさん、この両者の優しさや、関係性を感じるのだ。
だからこそ、言葉には責任を持たないとね!のセリフの後、ゴンは旅立ちをすこし後ろめたく思う。
ここに感情移入させるのだ。
育ての親であるミトさんの反対を押し切る、力強さと、約束を守った誠実さ、まっすぐさ。
これをこの第一話で見せつけるのだ。
誰かの視点のコマ
と
俯瞰(カメラで撮ったような視点)ののコマ
使い分けの意味。
感情移入させたい部分は、
その感情移入をさせる人の視点になることが多い。
冨樫先生は無意識にこれをやっているのか?それとも、意識して…?どちらでもいいがこんなのはレベルが高すぎる。
このブログを書こうと思って1発目でこんな発見があるとは、衝撃でしかない。
この感情移入の件、もう一つ気になったシーンは、ゴンがキツネグマの赤ちゃん(のちのコン)を抱きしめるシーン。
ここはコマをカメラワークで分けて解説してみよう。
俯瞰で撮るコマ
・ゴンがコンに駆け寄るコマ
・俺が育てるとゴンがカイトにいうコマ
カイト視点のコマ
・抱きしめるコマ①
・抱きしめ②(ゴンが引っ掻かれている)
・ゴンがカイトを睨みつける
このように分かれている。
俯瞰でのシーンは事実を伝えている。
ゴンが殺処分しようとしたカイトに先回りしてキツネグマの赤ちゃんに駆け寄る、
人間には懐かないから育てられないと忠告される。
カイト目線のシーンは
ゴンの感情を訴えている。
キツネグマの赤ちゃんを守りたい、攻撃されても我慢してでも、その決意がかたいことを目で訴えるのだ。
読者はカイトの目線に立つ。
キツネグマは懐かない、殺処分しなければならない状況、だがゴンの固い決意に心が揺らぐ。
しかも読者は知っているのだ。ゴンの野性性と、努力を。キツネグマにコンと名付け、大きく成長させる器量を。動物から好かれる本能を。
そして目を見てカイトはある事実に気づく。
数ページ前にミトさんが言っていた、
ジンの息子であると言う事実にである。
コマの中のカメラワークの意味に大きく感動を覚えた。そして伏線の貼り方に脱帽した。
この第一話は
ゴンがミトさんに別れを告げ、くじら島を出るところで終わる。
ミトさんに最後に駆け寄るゴンの書き方や
ジンの写真の使い方などまだまだ喋ることはたくさんありそうだ。
恐るべし。ハンターハンター。
第一話だけでも読む価値あり…!
今後も1話ずつ更新していくので、
一緒に漫画の世界を楽しもう!!
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